Armが、高度に統合されたシリコン設計への道を切り開く中で、チップレット技術に関する彼らの具体的な計画が徐々に明らかにされています。チップレット技術は、現在の半導体業界で最も注目される革新の一つとされており、Armはこの領域でのリーダーシップを確立しようとしています。
Armの戦略は、CPUチップレットから特定のアプリケーションに特化したチップレットに至るまで、マルチダイシリコンプラットフォーム上での彼らの計算ユニットの重要性を確保することに焦点を当てています。この目的のために、Armは半導体設計企業やIPサプライヤーとの戦略的パートナーシップを結んでおり、チップレット革命における中心的な役割を果たすよう取り組んでいます。
また、チップレット設計の標準化にも積極的に関与しており、ArmのAMBA(Advanced Microcontroller Bus Architecture)仕様がこれまで20年以上にわたってSoC設計の基盤となってきた経緯があります。これは、チップレット設計の共通フレームワークを確立するための重要なステップです。
さらに、Alphawave Semiとの協業を通じて、Arm Neoverse Compute Subsystems(CSS)を基盤としたチップレットソリューションの開発を進めています。このパートナーシップにより、Alphawave SemiはArmのCSSプラットフォームと高速コネクティビティIPを組み合わせ、Arm Neoverse CSSリファレンスIPソリューションに沿った高度なチップレットを開発しています。
Alphawave Semiは、2024年6月にはAI、ML、HPC、データセンター、5G/6Gネットワークインフラなどの分野で使用する高度なコンピュートチップレットを開発し、公表しました。このチップレットは、I/O拡張チップレットやメモリチップレットなど、Armの設計プラットフォームに新たな差別化要因を加えています。
また、日本のソシオネクストとの提携により、TSMCの2nmプロセスノードを使用した32コアCPUチップレットの開発にも成功しています。このCPUチップレットは、Arm Neoverse CSSプラットフォームを基盤とし、様々なアプリケーションに最適化された性能を提供するよう設計されています。
Armのこのような進歩は、チップレット技術の将来において重要なマイルストーンを示しており、業界全体の革新に寄与しています。